上村松園展

2010/09/30

芸術鑑賞

久しぶりに地下鉄の竹橋なんて駅を使ったので、出口を間違えて雨の中を大分歩いてしまった。
東京国立近代美術館へ来た。あまりここで開催される美術展は興味を魅かれるものがなくて片手で余る程しか訪れていない。
今日は“上村松園展”を観る為に来た。

上村松園は京都で明治から昭和を生きた、美人画で有名な女性の日本画家だ。
というのは、絵は知っているけれど実際どんな人か知らなかったので自分で調べた結果だけれど。
私は、美術の教科書でこの絵を見て上村松園の名前を知った。一度本物を観てみたいものだと思ってから何十年も経ってしまった。

雨だというのに、実に沢山の人が訪れている。少しは空いているだろうかと思ったのは大間違いだった。
結局、皆同じように思って雨の中を無理して来たりしているのかもしれない。観光バスも来ている。団体は雨だからといって日程をかえられない。
幸いなことに大きな絵が多いので、普段から“かぶりつき”で絵を見ない私には、足下しか見えないんじゃないだろうかと思う程近くで見ている人の後ろから全体を見て歩ける。イヤホンガイドも使わないので、前が空いている絵から見て歩く。
勿論、展示する側からすれば“観て欲しい”順番というのがあって順路があるのだろうが。

本当は、この絵を見たかったのだが、会期中の前期のみの展示であったので、モタモタしている内に本物を観ることが叶わなかった。国立博物館の所蔵品なので、いつか国立博物館で展示して貰えるのを待つばかりだ。
源氏物語の六条御息所の生霊を描いたという絵だが、顔や指などの身体の表情も凄いのだけれど、私は藤の花と蜘蛛の巣の柄の着物にこだわりを感じる。

それでも、一度は観ておきたかった松園の絵を色々見られたのは良かった。

衣擦れの音しか聞こえないような静かな絵が多いけれど、そこに時折、傘を打つ雨音や通り過ぎる風音、虫の音が聞こえるものが入っているのが心地いい。
着物の柄がとても繊細に描かれているのが女性らしいなあと思ったのだが、そこが気になるのは私が布とかを好きだからだろうか。
図録は悩んだ末に買わなかったが、残念ながら観ることができなかった絵も含めて、気に入った絵のハガキを購入して帰ってきた。

あんな静かな絵を観た後で、どうしてこんなにガツガツした感じになれるのだろうかと思う程賑々しい物販コーナーで、何とかハガキを入手して“やれやれ”と休憩用の椅子に腰掛けて外を見たら、雨に洗われた庭にホッとした。