ラファエロ展

2013/04/25

芸術鑑賞

久し振りに美術展に行ってきた。
場所は上野公園でもどちらかというとあまり行かない“国立西洋美術館”。

3月から開催されている“ラファエロ展”を観に行ったのだ。
自慢にもならないがレオナルド・ダ・ヴィンチを代表とするルネサンスの時代のラファエロという画家の名前も知っていたし、かの有名な名画“大公の聖母”の絵も知っていたが、それをラファエロが描いたというのを知ったのは恥ずかしながらこの展覧会が始まったからだ。
そんな“芸術鑑賞が好き”などと言うのもおこがましい私だが、せっかく“あの名画”が観られるのならと出掛けていった。
実際にはラファエロの作品は約20点なのだそうだが、その他ラファエロが元になった絵を描いて作られたものや影響を受けたりした周辺の画家達の絵も合わせて約60点の作品が展示されている。
配布物によると、やはりラファエロの作品は所蔵している美術館が大事に保管している為に、なかなか借りるのが容易ではないのだそうで約20点集めただけでも大変なことのようだ。

その絵なのだが“これもラファエロだったのか”という作品が幾つかあった。自画像もよく観たことのある絵だった。
私も油絵を囓った程度は描いたことがあるので、絵の具の特徴(当時の絵の具と今のは違うだろうが)を多少なりとも知っているが、何というか、言い方は悪いが表面の平坦な絵が多い。油絵の表面というのは厚みが出たり、筆の動きで表面に尖った塊が出来たり(それがその画家の特徴であったりする)、どちらかというとゴツい感じがするものが多いように思う(あくまで私の観てきた程度)。
ラファエロの絵は、沢山の色を使っていたり、単眼鏡で観ると着ている衣類の柄やレースの模様などが非常に細かく描いてあったりするのだが、絵の具の載り具合には薄さを感じる。それでいて絵によっては、とても奥行きを感じさせられた。
有名な名画とされる“大公の聖母”は、やはり神々しくて立ち止まって、しばらく正面から向き合いたくなるものがあった。
面白かったのは、この、神々しさを感じさせる背景の黒地はラファエロが塗ったものではなく、後世の画家が二重にも重ねて、劣化してしまっていたラファエロの描いた室内や窓の外の風景を消したものだということが、X線撮影などの科学調査で判明しているということだ。今回の展覧会では、そのX線撮影で薄っすらと見える元の絵を掲載したしたパネルなども公開されている。

一番賑わっていると思われた展覧会グッズ売場では、色々見た挙げ句に結局は記念に絵ハガキのみを購入し(様々な記念グッズとか見るの大好き)、ああ、イイ眼と心の保養をしてきたなあ、などと美術館の外観の写真を撮影したりして休憩をしている時だった。

「あ、あれ知ってる!アレでしょ“天国の扉”?“ドア”?とかいうんだよね(最後に『はぁと』、とか付けたいくらいチョット自慢げに)」
私の横を美術館を出てきたばかりという感じの、普通に今時ファッションで決めた大学生~若い会社員くらいの女の子2人が通りながら話をしている。
連れの女の子が
「それって、ヤバくない?」
と、明るい声で楽しそうに応える。天国=死であるからヤバいのか、若い衆は楽しい事や美味しい事などにも“ヤバい”と使うので、どちらの意味なのかは不明だ。
青空の覗く明るい空の下、新緑に囲まれた姿もなかなかイイものだなあと写真を撮りつつ
「うん、ヤバいよ、コレって“地獄の門”だから。」
と、彼女たちがいなくなってから呟いてみた。

購入してきた絵ハガキは4枚。
“大公の聖母”の全体像と一部を拡大掲載したもの。

それから個人的には“大公の聖母”との存在感の違いを気に入った
左が“エリザベッタ・ゴンザーガの肖像” 右が“エゼキエルの幻視”
エリザベッタ(以下略)の額の装飾品がサソリの形をしているのが、何かこうゾクッとするものがあっていいんだよね。


今回の家人への上野土産は上野駅構内に入っている駅ナカ店舗の
“酒種あんぱん 銀座 木村安兵衛”(いわゆる“銀座 木村屋總本店”のブランドらしい)


“パンダのパン”
いや、ホントにそういうネーミングなんだって。

中身は甘過ぎず美味しいチョコクリームが入っていた。
私個人としては、やっぱり木村屋は“あんぱん”なんだけどね。