加賀前田家のお宝

2026/04/16

芸術鑑賞

久し振りに上野の東京国立博物館を訪れた。

14日から6月7日まで“百万石! 加賀前田家”という特別展が開催されている。

加賀というと百万石と続けて言いたくなるし、前田利家という武将も大河ドラマでやっていたかな?(観ていない)というくらいで名前は存じ上げていたが、そうか前田利家って加賀藩の最初の武将なのかと今回知ったレベルの知識の低さなのである。

そんな低レベルの人間が前売り券まで買って観にきたのは例によって“刀剣乱舞ONLINE”の刀が展示されているからだ。

とはいえ、古いお宝を観るのは大好きなので刀以外のものでも楽しめないわけがない。

[重要文化財 金小札白糸素懸威胴丸具足 前田利家所用]

(リーフレットより)

前田利家といったら、この金色の鎧兜だ。私でも前田利家のものと知らずに写真くらいは見たことがある。

この他にも前田家歴代の鎧兜や陣羽織といったものがズラリと展示されていて、兜の装飾がとても個性的だったり、陣羽織の柄が凝っていたりと楽しい。

刀剣のコーナーも広く充実していた。

[国宝 太刀 銘 光世作( 名物 大典太 )]

(購入したポストカード)

天下五剣と呼ばれるものの1つで、平安時代の筑後国三池の刀工・三池典太光世によるもの。

豊臣秀吉から前田利家へ贈られたものだそうだ。

霊力を持っていて、姫の病を何度も治したとか、保管してあった蔵の屋根に止まった鳥が雷に打たれたように落ちた(死んだ)などの逸話がある。

長さはそれほど長い印象はないのだけれど、幅があって全体がゴツい印象がある。

 

[国宝 刀 無銘 義弘( 名物 富田江 )]

(購入したポストカード)

越中国で活躍した刀工・江義弘(郷義弘)による。

伊勢国安野津城城主の富田一白が所持していた刀なので富田江と呼ばれていた。

刀剣乱舞に出てくるキャラクターの少しふんわりしたイメージとは少し違って、キリッとしたこちらもゴツさというか剛胆さを感じる一振り。

 

[重要文化財 短刀 銘 吉光( 名物 前田藤四郎 )]

(購入したポストカード)

山城国の刀工・粟田口吉光による。吉光が通称藤四郎と呼ばれていたので、吉光の作刀した刀は藤四郎の名が付いているそうだ。

前田家に伝わった藤四郎の刀なのでこの名前になった。

茎に素人でも判る“吉光”の名前が大きく彫ってある。

その他にも前田家の刀やそれに付随するものが沢山展示されていて楽しめた。

刀剣について細かいことは判らないが、綺麗だなカッコいいなと思って観る。

 

今回、とにかく所狭しと様々な多くの前田家のお宝が展示されていて、眼が回りそうになった。

(リーフレットより)

国内の書画や工芸品だけでなく、舶来品なども多い。

裁縫を囓っているので、織物や布地、能装束などの着物も興味深く観られる。

また、工芸標本というのが莫大な量の展示なのだが、一つ一つ見て面白かった。

 

明治に入って前田家は前田侯爵家となり、東京に大邸宅を構えていた。その頃に収集したコレクションの一部の展示室だけ、撮影が許可されていた。

[アネモネ ピエール=オーギュスト・ルノワール]

ここでルノワールの絵を観られるとは思わなかったな。

 

[シロクマ フランソワ・ポンポン]

大理石の彫刻で、表面がスベスベしていて触り心地が気持ちよさそうだった(凡人の感想)。

[バン フランソワ・ポンポン]

バンというのは日本にもいるクイナ科の鳥だそうだが、馴染みがない。

想像を絶する幅広いお宝を堪能して会場を後にしてグッズ売り場を眺めたのだが、とにかく展示物で(いい意味で)お腹いっぱいで、最低限これは欲しいなと思っていたものだけ購入したのだった。

本展限定デザインの北陸製菓・揚げあられ“ビーバー”。
この2袋が箱に入っている。むしろ箱がメインといえよう。
箱の絵柄のステッカーも入ってる。この絵柄でこの躍動感。

そういえば、刀剣乱舞のコラボでパネルが展示されていると聞いてきたが見つからないなあと思ったら、展示室のある2階ではなくて1階にあった。

今回用の描き下ろしイラストも展示されていた。


本館へ移動して、常設展の刀を観る。

[国宝 太刀 伯耆安綱(名物 童子切安綱)]

天下五剣の1つで以前にも観ているが、前回と若干違うのは“刀剣乱舞ONLINE”に出てくるようになったことか。だからどうということもないのだけれど。

前回観た時には気付いていなかったが、茎に“安綱”の文字が見える。


[重要文化財 小太刀 長船長光(名物 蜂屋長光)]

小太刀というのを知らなかったが、太刀と扱い方などは同じだけれど短いサイズのものをそう読んでいたらしい。

刃文が賑々しく華やかで見入ってしまう。


[重要文化財 刀 長船光忠]

太刀を磨り上げて刀にしたものだという説明がある。磨り上げとは茎の部分を短くして全体の長さを短くすることだそうだ。

銘はなかったが、刀鑑定の権威である本阿弥家の光忠(こうちゅう)が長船光忠によるものだと極めて茎に金象嵌銘を入れている。

光忠が光忠の鑑定をしたのかよ、とかコッソリ突っ込んでしまった凡人。 

こちらも刃文が華やかで美しい。


[重要文化財 刀 相州貞宗(名物 切刃貞宗)]

こちらも2度目なのだが、前回観た時とは観る側(表裏)が違っていた。

この刀は表側(差表)が鎬造り(しのぎづくり)、裏側(差裏)が切刃造(きりはづくり) であることから付いた名前で、前回は刀身に梵字の彫刻が入っていて切刃造の差裏が見えるように展示してあった。

そうか、こっちが表だったのか……という感じにド素人はそういう造りから判っていない。


[太刀 長船長義(銘 備前国長船住長義)]

重要文化財などの指定はないのだけれど、刃文や全体の形というか、ドッシリ感があるのに繊細な印象もあって綺麗ねえと眺めた。

今回、個人蔵ということだからか撮影禁止の[短刀 相州正宗(名物 岡本正宗)] という短刀も展示されていたのだけれど、これも文化財指定などはなかったけれど、独特の賑やかな感じの刃文があって美しい短刀だった。


ああ、目眩がしそうなほど沢山のお宝を見せて戴いたなあと、幾らか疲労も感じつつ外へ出たら、来たときにどんより曇っていた空が晴れていたので、ベンチで水分補給をしながら休憩したのだった。