銀座デート

2013/02/20

日記

私は高校生の3年間の内、1年生を東京で、2~3年生を仙台で過ごした。
都立高校とはいえ結構あちこちの地域から生徒が集まってきているので、1年生というのはまだその学校や周りの生徒達の様子窺いという感じがあるのだが、私は1年の間に濃密とまではいかないかもしれないが、そこそこ濃いめの学校生活を送れたと思っている。
仙台へ転校した夏休みには、東京の1年の間にできた友達数名が泊まりがけで遊びに来てくれたし、高校卒業後は東京へ戻ったので遊びやすくもなっていた。
しかし、それぞれが就職・結婚・出産・子供の進路といった様々な生活を様々なタイミングで行うようになると、微妙に疎遠になったりするものだ。それが、いつの間にか子供が徐々に親の手を煩わせない年頃になって、親ではなくて“昔の仲間”に戻れる年齢になってきた。
と思うのは、結婚しても子育てをしなかった私だけかもしれないのだけれど。
昨年私が体調を崩し“うつ病”だと判ってから特に気に掛けてくれているのか、よくメールをくれる友人2人と会おうという話になった。本当は昨年、もう少し多人数で会うことになったのだが、私は心身共に波の激しい時で欠席した。

そんな訳で、昼過ぎに“プランタン銀座”で待ち合わせた。
銀座なんて何年ぶりだろう?大体、プランタンに行くには“何番出口”という様々な出口を表示した案内板も見てから地上に出たのに、見える範囲にプランタンがない。というか、10年以上前に来たきりの銀座はすっかり様変わりしている。
何故、銀座なんて場所にしたのかというと、見て歩いて面白そうな店がありそうということと、3人ともそこそこ交通の便が良いこと、それから私が近年銀座に続々とオープンしている各道府県の“アンテナショップ”というものに
「そういうお店って一度も行ったことない。」
ことだった。
何とか、自分の記憶とは違うものになっているプランタン銀座を見つけ、少し遅れるという友人を待っている間にトイレに行って出て来ると、別の友人からプランタンが見つからないというメールが届いていた。
これは店の入り口の外に出て電話で誘導しないとイカン、と入口へ向かいかけた所でバッタリ。
「すごい偶然……」
やはり、神は居るのかもしれない。
その後、遅れてきた友人と合流し、その友人が知っているビルの中に昼食を食べに行こうと銀座の街を歩き出す。平日の昼間だというのに、銀座って混んでるのね。かの有名な数寄屋橋の“チャンスセンター”は何か発売日なのか長蛇の列。
ウロウロしたが、友人がそのビルが見つからないと言い出す。携帯で調べ始める彼女。
「ゴメン、閉店しましたってお知らせが書いてある…」
じゃあ、プランタンにでも行って食べようと来た道を戻る途中で熊本のアンテナショップがあったので寄ってみた。予想以上に混んでいる。
“ゆるキャラ”で有名な“くまモン”グッズも色々あるのだが、いわゆる物産も様々なものが置いてあって、むしろキャラグッズよりもそっちの方が売れている。友人も馬刺しを買っていった。
プランタンでようやく遅い昼食を摂りつつ、話に花が咲く。
懐かしい話、近頃の自分の話、子供や夫の話、楽しい話に愚痴っぽい話。そして、歳取ったなーってな話。
話し始めたらキリがない。
レストランの店員の視線や扱いが何となく冷たくなってきた所で、席を立った。
その後、お喋りは途切れないまま、幾つかのアンテナショップが入ったビル(交通会館)を見て歩いたり、新しくなったという丸井を見て歩いたり。丸井は1階しか見て歩かなかったけれど、独特の雑貨を扱う店などが入っていて面白かった。ここは、また行きたい。
その後、そろそろ休憩しようかと“銀座にもサイ○リアってあるんだねー!”と、通りがかりに話していたそのサイ○リアでデザートとドリンクバー&お喋り。
やはり気の置けない友人と過ごす時間は、心が癒される。
実は、私は子供を育てる自信がなくて(怖くて)産めなかった(作らなかった)という非常に情けない人間なのだが(勿論、最終的には家人とも色々と話し合って決めたこと)、元々子供をアヤしているつもりが泣かしてしまうとか、小さい子供に全く懐かれない(懐かれたくない)タイプの人間だった。年賀状に子供の写真だけ載せて送ってくると“私はアンタと友達であって、アンタの子供の成長なんかどうでもいいよ。”と思ってしまう奴だ。
だが、ふと思う。
好きな相手の子供の成長は楽しい。進路のことでも、部活のことでも、バイトのことでも楽しめる。親である友人が子供のことで悩んでいると“子育てしていないからアドバイスは自分の経験のみだし、ほとんど愚痴しか聞いてあげられないけど、それでよかったら幾らでも捌け口にしてよ”と、思う。あんなに小さかった子が高校生だとか想像できないけど、何だかその成長が嬉しい。同じアニメ見てるのも嬉しい(←これはどうか)。
そして、ふと時計を見ると午後6時、外は暗い。
「私は、どうせいつも一人飯なんだけど…2人は?もう6時だよ。晩ご飯作るとかは?」
「娘はバイト行くって言ってるから私も今日は一人だ。」
「ウチは夜学だから大体一人。」
よし、晩ご飯も食べて帰ろう~!と、改めてメニューを広げる3人。
これで、もう少し一緒にいる時間が増えた。
今日着てきたいと思ってワンピース縫い始めたけど間に合わなかった、と言う私に、
「じゃあ次はそれを着て、また3人で何処か行こう!」
涙が出そうになった。

さて、熊本のアンテナショップまで行って、色々悩んだ末に私が購入したのはこれだけ。
くまモンのティッシュケース。この唐草模様が気に入った。家人にクリアファイルをと思ったのだけれど、何やらキラキラしたハートや苺の柄のしか残っていなくて、それはちょっと使えないだろう、と。

交通会館に入っていた様々な地域の人気商品を扱っているショップで、家人の大好きな長野銘菓“みすゞ飴”を見つけたのでこれでOKだ。

それから、深夜のお茶会用にプランタン銀座で結構な人が、わざわざというように買っていった“アンジェリーナ”(有名なパティスリーらしい)というショップのショコラタイプのモンブランを買って帰った。
上はしっとり少し苦み走ったチョコとマロンのモンブラン独特の味で、下はサックリメレンゲだった。
モンブランの濃厚な甘みが苦手な家人が、結構美味しいと言って食べていた。


あ、アンテナショップ“ぐんまちゃん家”に行くの忘れた。