目黒不動尊

2024/02/29

寺社

そういえば、目黒という土地も初めてかもしれない。この歳まで縁もなければ用事もなかった。遊びに行く場所でもない。

はるばるやってきたのは東急目黒線不動前駅。

飯田橋駅から東京メトロ南北線が東急目黒線に直通運転をしているというので乗ってみた。

つくばエクスプレス新御徒町から大江戸線で飯田橋へ行って乗り換えたのだが、飯田橋の乗り換えが遠くて大変だった。乗換駅のチョイスを間違えたかもしれないと後から思う。

到着が昼前になったので、先に腹ごしらえをしてからと駅の近くの蕎麦屋でたぬきそばを戴いた。昔ながらのおそば屋さんという感じの好きな味でおいしかった。

少々迷ったが、近くなるとお不動さんの門前町らしい表示も出てきて無事に到着。

大きくて美しい仁王門に圧倒される。

天台宗 泰叡山 瀧泉寺 目黒不動尊

新しそうだがゴツめの狛犬がいる。

目黒不動は江戸五色不動の1つだ。

江戸五色不動というのは黒白青赤黄の不動尊で、江戸城の五方の方難除け、江戸城を中心とする五街道の守護だったと記載がある。

結構急な石段・男坂を上がっていくと 、大きな山王鳥居が。

えっ、鳥居?

神仏習合の名残なのだそうだ。こういうのも歴史を感じていいねえ。

まだまだ階段があるよ!

大本堂は華やかで立派。

本堂の裏手には、十二支未年と申年の守り本尊の大日如来像。

女坂の途中には黒光りする“役行者(役小角)”像が。

修験道の開祖と言われる人だが、この人は実にカッコいい。

こういう表現は失礼に当たるのだろうが、中二心を揺さぶられる感じ。

ここを開いた慈覚大師円仁が、占う為に持っていた独鈷を投げた所に湧いた滝泉“独鈷の滝”。

水垢離の場所ということだが、今は代わりに“水かけ不動明王”が滝泉に打たれて下さる。

柄杓で不動明王に水を掛けるということだが、それなりに距離があるので掛け流すという感じではなくてバシャッと打ち水をする感じになってしまう。
仁王門を出て、道路を挟んだ向かい側に山手七福神の恵比寿神を祀る“三福堂”がある。

恵比寿神の他に荼枳尼天を祀る豊川稲荷もあった。

不動明王と梵字のデザインが素敵な御朱印帳と3種類の御朱印を拝受した。

いわゆるプロの仕事だから当たり前なのだろうけれど、1枚の中に良い感じに配置されていて出来上がってるなあと思う。

 

目黒不動尊の境内の壁際というか、裏側というか路地裏のような細い通りを抜けて広い通りに出る。

天恩山 五百羅漢寺

宗派は浄土宗系の単立という形なのだそうだ。 

今でこそ、現代的なビルだけれど、開山は元禄8年(1695)。

本堂には釈迦如来と弟子である羅漢が祀られている。

本堂に収めきれない羅漢像が羅漢堂に祀られていて、すぐ眼の前で拝むことができる。

リーフレットによると、現存305体の羅漢像が祀られている。

神獣の白澤(獏王)と麒麟の像もあって、なかなか見甲斐があった。

(リーフレットより)

本堂の前に獏王のおみくじがあって、勿論引く。

みくじの入った袋に、お守りにできる小さな白澤さんが入っていて嬉しい。

御朱印は、どれをお願いしようか悩むほど色々あった中から4種類を。

印刷という形ではあるが、これは魅力的。
辰年限定の竜猛尊者の御朱印。
竜猛尊者は、羅漢堂の中で特別な台座の上に座られていた。


最後に訪れたのは“蛸薬師”。

天台宗 不老山 成就院(通称・蛸薬師)

目黒不動尊と同じく慈覚大師円仁が開山。

唐から帰国する船で海難に遭い、常に身に付けていた自分で彫った薬師如来像を海を鎮める為に投じて難を逃れる。

後に、その薬師如来像が海で蛸の頭の上に載っているのを発見して取り戻すことができた。

そして、その出来事から蛸に支えられた薬師如来像を彫って本尊とした寺を建てたというのが成就院の蛸薬師の由来だそうだ。

蛸の絵も可愛らしい、御朱印を拝受した。


さあ、雨が降り出す前に帰路に就こうと思ったのだが、途中で近道そうだと思って入った住宅街の路地で不安になる。

スマホの地図を眺めつつ多分大丈夫、などとウロウロしていたら眼に飛び込んできた鮮やかな色彩。

河津桜が満開だった。

メジロが何羽も枝の間を飛び歩いていたが、何とかそれらしく撮れた(ように思う)のはこの1枚だけ。

目黒のメジロ……とか、ひとりごつ。