流鉄流山線に乗る

2024/07/03

寺社 鉄道

JR常磐緩行線の馬橋駅で友人と待ち合わせた。薄曇りだがとても暑い。

まずは駅からほど近い寺院をお参りする。

臨済宗 法王山 万満寺

山門がなかなかカッコいい。

仁王門には国の重要文化財の木製の金剛力士像があるのだけれど、ガラスが入っていて光ってよく拝めなかった。
本堂も立派で境内全体的が広く、参詣しがいがあった。
“中気除け(ちゅうきよけ)”の御利益があるそうで、御朱印にもその旨が記されるらしいので戴きたいと思っていたが、8月のお盆過ぎまで御朱印は受けていないと断られてしまった。

まあ、馬橋ならそんなには遠くないので、いつかまた訪れようと思う。

ちなみに中気という病は“中風(ちゅうぶ)”とも言い、現代の脳卒中ということだ。

 

さて、JR馬橋駅へ戻って昼食を摂ってから、跨線橋を通って本日一番の目的である流鉄流山線の馬橋駅へ移動する。

流山線には西武鉄道の新101系が譲渡されて走っているので乗ってみたかった、という友人が誘ってくれた。私も西武線が走っているというのを聞いていたので乗ってみたいと思っていたが、なかなか重い腰が上がらなかったのでありがたい。

これは、紛れもなく私がよく乗った車両!

今は“あかぎ”号。

流鉄流山線の鉄道むすめ“幸谷なのは”ちゃんが迎えてくれる。

流鉄流山線は千葉県流山市の流山駅と千葉県松戸市の馬橋駅を結ぶ私鉄単線で、6駅5.7kmの路線。

馬橋駅で一日乗車券を購入し、電車に乗り込んだ。

扉の上の路線図は、ほのぼのあっさり。

これで全駅が収まってしまう。

懐かしい景色だなあ。子供の頃にこの連結のところに立って楽しんだものだ。

下の鉄板の部分も楽しいのだけれど、厚手のビニールみたいな蛇腹が結構好きだった。

調べたら、連結ホロというのだそうだ。そうか、幌か。

座席シートもそのままだ(多分)。

シルバーシートの部分は可愛らしい足跡模様。

まずは、一気に流山駅へ。

 電車に興味のある人なら撮っておきたいオリジナルデザインの自動販売機。
駅でウロウロしている間に何人も撮っていた。

ホームの奥に検車区が見えるのだが、そこに止まっていた車両。

令和6年6月6日記念号というヘッドマークが着いているが、この下に“流星”の名前が着いている模様。
個人的には流星という標示も見たかったな。

窓に鉄道模型で有名な“KATO” のステッカーが。

改札を抜けて駅舎へ入る。

流鉄は2016年3月に100周年を迎えたそうだ。

流鉄のキャラクター流之進(りゅうのしん)。ゆるキャラ感満載の外見の割に、渋めの名前である。

車内のシートにプリントされていた足跡は、りゅうのしんの足跡なのだろうか。 

流山駅を外から。随分前(2009年)に流山へ来たことがあるが、その時には駅までは来なかった。

駅の側の跨線橋を上がり、周りの風景を眺めていると入電してくる“若葉”号。
電車や入り組んだ線路を上から眺められるのは跨線橋の醍醐味。

検車区には数台停まっていたことも発見。黄色の“なの花”号もいる。楽しいなあ。

若葉号に乗って、隣の平和台駅へ。

駅自体は何となく寂しい印象だったのだが、近くに大きなショッピングセンターがあったりして人や車の往来は多かった。

次の駅は鰭ヶ崎駅。

最初、まず“鰭(ひれ)”という字が読めなかった。

流山辺りは海は遠く、江戸川は近いのだが魚や漁のイメージはないよねえ、などと話をする。
地元の人に道順を伺ったりして、近くに大きな寺院があるのでお参りに行くことにした。

真言宗豊山派 守龍山 証明院 東福寺

江戸川八十八ヶ所霊場の1番

石段の上までの角度や距離よりも、石段それぞれが傾いたり欠けていたりして怖かった。

朱色の仁王門がとても美しい。

ここを守る金剛力士像は運慶作と伝えられている。

本堂は渋い。

寺社を好みで語ってはいけないかもしれないが、年月の経った建物の色味や佇まい、彫刻などがとても好みだ。

中門には鴨と龍の彫刻があるのだが、

伝説の残る“目つぶしの鴨”は、左甚五郎の作と伝えられている。
龍の彫刻は、門の反対側から見ると
尻尾だけが残っていて何だか可愛らしい。

弘法大師がこの辺りに住む龍に寺を建て薬師如来を彫ることを頼まれたが、彫る木材がなくて困っていたところへ海龍が現れて木材を捧げた(要約)。

その時に龍が鰭(ひれ)先を少し残していったという故事から、駅名にもなっている鰭ヶ崎の地名ができたという謂われがあるのだそうだ。

魚のヒレじゃなくて、龍のヒレだった!

薬師如来の御朱印を戴いて、鰭ヶ崎駅へ戻る。
次は島式ホームの小金城趾駅へ。

単線の流山線は、ここで馬橋行きと流山行きがすれ違う。

駅から外に出てみたが、駅舎に駅名の看板的なものはなくて少し驚いた。

ホームから階段を上がった所に改札があり、線路の横を流れている川を跨ぐように跨線橋があるのでしばし風景を眺める。
ここで電車が走ってきたら最高の絵面なのだが、ここで撮ってから走ってホームへ降りて電車に乗り込むのは辛い今日の天候そして私の足腰。

この1枚を撮って、慌てて乗り込んだ。

幸谷(こうや)駅はマンションが上にある。

マンションの下に駅があるのか、駅の上にマンションを造ったのか。

『ウチのお抱えの駅』てなことを言ってみたい。

幸谷駅はJR常磐緩行線とJR武蔵野線が走っているJR新松戸駅のすぐそばにあって、流山線からの乗換も便利だ。

雨が降っていてもこのくらいの距離なら全然平気という距離感なので、単線でそんなに本数がある訳でもないのに流山線沿線に新しい住宅が沢山あることに納得がいった。

そして馬橋駅へ帰ってきた。

実際には1日乗車券を有効活用して行ったり来たりしていたのだけれど、何処を何回移動したかなんて覚えていない。
行きには丁度電車が出発する直前だったので、駅はさほど撮らずに乗ってしまった。
木製の柱とか昔っぽい番線の表示とかタマランよね。

そういえば、流山線は交通ICカードを利用できないので乗車時には切符を購入しなければならないのだけれど、もしかしたら定期券は昔懐かし紙の定期券だったりするのだろうか。

そんなことを考えつつ、向こう側の常磐緩行線に乗って帰路に就いた。

1人じゃなくて友達とお喋りしながら乗り鉄するのは楽しかったなあ。


流山駅へ行った時にポスターに“鉄カード”という案内を見付けて、窓口で戴いた。鉄道各社によって規定は違うかもしれないが、グッズ等を購入することで戴けるところが多いようだ。

鉄道の知名度向上や利用促進に繋げようと、全国のローカル鉄道各社が発行しているトレーディングカード。

ダムカードとかマンホールカードは存在を知っていたのだけれど、鉄カードは知らなかった。 

人気らしいので、新しいものが出たらすぐになくなってしまうようだが、ローカル線に乗る機会には気にしておきたいと思う。