朝から暑く、いよいよ本格的な夏の訪れを感じさせられる天候の下、学生さん達が本格的に夏休みに入る前にと思い、昨日から上野の東京国立博物館で開催中の“神護寺(じんごじ)”展を観に行ってきた。
これは開催している会場である平成館の壁に掲示されたメインビジュアルなのだけれど、敷地の外の壁(柵?)に掲示された案内には、失礼ながらちょっと吹き出してしまった。今回の目玉の1つでもある国宝を押し出しているのだろうけれど、何だろうか、詰め込み過ぎてカオスというかちょっと画面がうるさい(小声)。
神護寺は京都市郊外の北西にある山岳寺院で、京都駅からバスで50分、バス停から徒歩20分と公式に記載されている。
真言宗の寺なので、真言宗開祖の空海と関わりの深い寺院として有名なのだが、天台宗の開祖である最澄も法華経の講義を行うなど日本における仏教の重要な寺院の1つだそうだ。
その神護寺の創建1200年記念の展覧会が今回の特別展だ。
御本尊の薬師如来立像などの仏像を始め、空海も筆を入れたといわれる両界曼荼羅や絵図、仏具などの密教美術品、経や記録書類など、お宝が京都から運ばれてきた。
源頼朝といったら、この姿。
国宝・伝源頼朝像 (展覧会リーフレットより)何で源頼朝像が神護寺のお宝なのだろうかと思ったのだが、神護寺復興に尽力したらしいので、それで残されているのだろうと勝手に解釈した。
個人的には展覧会の後期に展示されるこちらが観たかった。
国宝・釈迦如来像 (展覧会リーフレットより)会場内は一切撮影禁止なのだけれど、最近の展覧会の傾向として撮影OKの展示物が1つくらいある。
二天王立像(左・増長天、右・持国天)
寺の入口である楼門に安置されている、平安時代の木製立像。
踏まれている邪鬼が、なかなかイイ顔をしていた。
国宝・薬師如来立像、日光菩薩立像・月光菩薩立像
四天王立像
広目天、多聞天
その他多数の仏像や真言密教の仏具なども観られて、大満足だった。
博物館本館へ移動して、現在展示中の刀や仏像を観る。
国宝 打刀 相州貞宗(名物 亀甲貞宗)
鎌倉時代に、名刀工であった正宗の弟子であり子である貞宗が作ったとされる。
茎(なかご)という、柄に収まる手で持つ部分の先に“花菱亀甲”が彫られていることから、亀甲の名前が付いた。
打刀 近江大掾忠広(おうみだいじょうただひろ)(銘 肥前国住近江大掾藤原忠広)刀身に倶利迦羅の彫刻があるのが印象的だ。
倶利迦羅(くりから)というのは不動明王の化身とされる龍のことで、剣に絡みついた龍の姿で表される。
重要文化財 太刀 豊後行平(ぶんごのゆきひら)こちらも倶利迦羅の彫刻があるのだけれど、うまく撮れていなかった。
本館には外国人の姿が多く、誰もが立ち止まって眺めていたのがコチラ。
赤糸威鎧(模造・あかいとおどしのよろい)平安時代に作られて現在は武蔵御嶽神社に伝来する国宝の赤糸威鎧を、1937年(昭和12年)に製作当初の姿に想定復元したもの。
丈夫そうではあるが重そうで、こんなのを着て戦うとか昔の人はそういう意味合いで強かったなと思う。
仏像の目玉はこちらだろうか。
文殊菩薩騎獅像および侍者立像
獅子に乗った文殊菩薩が従者と共に海を渡る群像ということだ。何だか楽しそうに見えてニヤニヤしながら観てしまった。
ああ、色々いいものを観た楽しかったなと、澄んだ気持ちで屋外へ一歩踏み出した途端に現実に引き戻される。
暑い、早く帰宅して涼しくした部屋でゆっくりしよう、などと俗世に帰るのだった。
博物館の前で見掛けた本日最後の一品。
“どうぐ(道具)ポケモン”って読んでしまったが、土偶と青銅鏡か。こんなマンホールもあるのだなあ。
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