刀鑑賞ハシゴ

2025/06/06

ゲーム 芸術鑑賞

地下鉄銀座線三越前駅で降りて地上に出ると、入口の自動扉がある。

三井記念美術館に来た。三井記念美術館は、旧財閥三井家の収蔵品を保管展示する美術館で、私が訪れたのは3度目くらいだろうか。

現在“国宝の名刀と甲冑・武者絵 特集展示・三井家の五月人形”という展覧会が開催中だ。

過日、旧三菱財閥の美術館(静嘉堂文庫美術館)を初めて訪れたが、やはり旧財閥のお宝保有率は凄いなと庶民は思う。

名刀ときたら、例によって刀剣乱舞ONLINEの流れである。

漫画家の枢やなさんがデザインした刀剣男士・日向正宗のパネルも展示されている。

今回、展示の前半にある刀や拵えなどの撮影は許可されていた。

[国宝 短刀 無銘 正宗 名物 日向正宗]

正宗というと素人の私でも名刀・正宗とか、何となく知っている刀の代名詞のような存在だ。ただ、“正宗”というのが刀を作った刀工の名前なのだと知ったのはごく最近のことだ。ずっと、刀そのもののネーミングなのだと思っていた。

石田三成が所持し、その後、水野日向守勝成が手に入れたことから日向正宗と称された。

[葵唐草紋漆絵小脇指]短刀 日向正宗の拵(こしらえ)
細工が細かくて綺麗だなーと、しげしげと眺めてしまった。

 

[国宝 短刀 無銘 貞宗 名物 徳善院貞宗]

貞宗は正宗の実子とも養子とも伝えられていて、正宗の作風をよく継承した刀工。

この短刀は豊臣秀吉が所持し、五奉行の一人・前田徳善院玄以が拝領したので徳善院貞宗と呼ばれる。

梵字の彫刻が何かカッコいい。そして刃文の感じは、やはり正宗と似ている印象。 


[短刀 朱銘 貞宗 八重姫貞宗]

鷹司輔信の息女で、五代将軍徳川綱吉の養女となり、水戸藩主徳川吉孚に輿入れした八重姫が所持した短刀。

[沃懸地葵紋蒔絵合口] 短刀 八重姫貞宗の拵


[短刀 銘 高福作]

北三井家八代・三井高福(みついたかよし)によるもの。“高福作”の銘が入っている。

[芦雁蒔絵小脇指]短刀 銘 高福作の拵

上の短刀と同じく三井高福の手によるもの。

高福は三井財閥の基礎を築いた実業家だが、絵画や書にも堪能だった、とある。

だからって、趣味でこれだけの短刀も拵も作るって“堪能”じゃ済まされない人だったな。

 

[四君子蒔絵小脇指]短刀 朱銘 埋忠明寿の拵

 

[丸十字紋鳳凰蒔絵螺鈿脇指]脇指 銘 西蓮の拵

丸に十字の家紋は島津家のもので、豪華な造り。 

 

 [葵角紋蒔絵太刀]太刀 銘 宗光の拵

 

この展覧会では拵えが多く展示されていて、刀身だけではなくて付属品にもこだわっていたのだなあと楽しく観ることができた。 

[宇治川先陣蒔絵料紙箱]

料紙とは書に用いる紙のことだそうだ。 


[縹糸素懸威胴丸具足]

[白糸中紅糸威胴丸具足]

桃山時代~江戸時代のもので大分傷みが見られるけれど、これだけのものがこの状態で残っているのは価値のあることなんじゃないだろうか。 

撮影が許可されているのはここまで辺りのもので、その他

他の刀や拵えであったり(リーフレットより)
武者の絵図や絵巻物(リーフレットより)
三井家の五月人形(リーフレットより)などを鑑賞した。

五月人形といっても、私が知っているようなレベルではなかったのだけれど。

展示室を出て、ミュージアムショップへ行くと通路に

ちゃんとコラボ企画として宣伝している展覧会ではあるので、こういった趣向も用意してある。

家にいる日向正宗くんを連れてきている審神者(ゲームのプレイヤー)の方々もいることだろう。

ミュージアムショップで刀朱印を購入してきた。

足利市立美術館の事後通販で購入した朱印帳に貼らなくちゃ。

 

上野の東京国立博物館へ到着。

本館前の池の水が全部抜かれているのとか初めて見た。

明後日までで展示替えのある平常展(東博コレクション展)の刀を観にきた。

[国宝 太刀 福岡一文字良房] 
尾張藩附き家老の竹越正信が豊臣秀吉から拝領したと伝わる。


[国宝 太刀 福岡一文字助真]

鎌倉幕府に招かれて相州鍛冶の礎を築いたと伝わり、鎌倉一文字とも言われた人。

 

[重要文化財 刀 相州正宗 名物 石田正宗]

石田三成が所持したことから石田正宗と呼ばれる。 

刀の棟(刃の背中側?)に小さな刀傷があるのが、何というか歴史を感じるというか武器なんだよなと思わされる。


[重要文化財 脇指 相州貞宗 名物 石田貞宗]

これも石田三成が所持していたことから石田貞宗と呼ばれる。

個人的には、小さいながらもとてもカッコいいと思うので、いつか刀剣乱舞ONLINEで再会できないだろうかと勝手に思ったりする。


[重要文化財 刀 長船光忠]

中世最大の刀工流派であった備前国(岡山県) 長船派の祖と言われる、長船光忠によるもの。


[重要文化財 太刀 古青江貞次]

備中国青江(岡山県倉敷市)を拠点とした青江派のうち、平安時代末期~鎌倉時代初期のものを古青江と呼ぶ。

荒々しかったり、模様のようだったりする個性的な刃文も面白く見せてもらうのだけれど、こういうピンと背筋が伸びるような直刃の刃文も美しいなあと思うのだ。


[重要美術品 刀 津田助広 銘 津田越前守助広 延宝五年八月日]

江戸時代に大坂で活躍した名工。大波のような“濤瀾刃(とうらんば)”という刃文を創始した。


[刀 長曽袮虎徹 銘 長曽袮虎徹入道興里]

虎徹という名前の刀も有名で、人気がありすぎて贋作が多く出回ったという話も有名だ。

長曽祢虎徹は越前国(福井県)の甲冑師の出身で、江戸に来てから刀工となった。 

今回は刃文に特徴のある刀を沢山観られて楽しかった。

 

その後で他の展示室で仏像を拝んでから帰路に就いたのだった。

[重要文化財 菩薩立像 鎌倉時代 13世紀] 

唇に水晶を嵌めて輝かせて、実際の唇のように見せているということだったのだが、ガラスケースの中にあるのでちょっと確認はできなかった。 

華やかさがあって美しい。

 

[如意輪観音菩薩坐像 鎌倉時代 13世紀]

何だか惹かれる。 

ガラスケースに入っていると、色々写り込んでしまうのがちょっと残念。

(編集では上手く隠せなかった) 


 

お昼に友人と、刀剣乱舞コラボイベント第2弾開催中の秋葉原ココスでコラボメニューのカレーを食べた。 

“彩り豊かで美味しさ満点! 三条派のカレーライス”

うん、美味しかった。

そして、第2弾のマルチファイルを戴いてきた。