人形町界隈の寺社

2024/05/23

寺社

東京メトロ日比谷線の人形町駅で降りた。

一応、東京生まれ東京育ちで子供の頃には日本橋へ買い物に連れて来てもらったりしたので、この辺りにも来たことはあるのかもしれないが全く記憶にない。初めて来た印象だ。

地下から地上に上がると似たように見えるビルばかりで、家で確認していた地図は頭から飛んでしまいスマホのGoogleマップを頼りに歩き始めた。

頭の上に迫るビルに囲まれた細い道路は、どれも同じように見える。

ようやく辿り着いたのは、小網神社。

強運厄除で有名なパワースポットとかで、とても人気があるが小さな神社だということだったが、本当に平日の昼過ぎに参拝の列があって列の整理をする警備員までいる。

お参りを終えて私のように写真を撮ったり、おみくじやお守りなどを眺める人が道路を挟んだ向かい側に結構いるので、写真の倍くらいの人がいた。

社殿の彫刻が、いい色だ。こういうものを拝むのも好きなのだ。

“東京銭洗い弁天”としても有名だそうで、列を作って硬貨を洗っている。

想像以上に混んでいて気圧されてしまい、日本橋七福神の福禄寿を拝み、御朱印を戴いて後にした。

正月なんて何処まで列が伸びるんだろうかと、歩きながら周辺を眺めた。

再びGoogleマップを、時折道の端で立ち止まって確認しつつ次へ向かう。

とにかく風景が似ているのだ(個人の感想です)。地図なしでもう一度行けと言われたら、絶対に辿り着けない自信がある。

ビルとビルの隙間に案内が見つかり、ホッとしてビルの間を通り抜ける。

ビルの麓にあったのは、茶ノ木神社。

伏見系のお稲荷様とのこと。

当時お屋敷の敷地にあった社の周囲に巡らされた土堤芝の上に丸く刈り込まれた茶の木がぐるりと植えられていて、それが見事なものだったというのが名前の由来のようだ。

この社のあった屋敷と周囲に永年火災が発生しなかったことから、火伏せの神様とも崇められていたとある。

土地計画などで現在の社は2008年に新しくされたものということ。

ビルの陰にひっそりと佇んでいる印象だが、お参りに訪れる人が絶えない。

布袋尊も祀られていて、日本橋七福神の1つにもなっている。

御朱印は隣接するビルに無人の授与所があって、書き置きを戴ける。

判りやすく御朱印代を納められるようにもなっていて、とても、ありがたいことだ。
さて、水天宮へはどのように……と思いながら広い通りに出たら見えるところにそびえ立っていた。

水天宮といったら安産祈願やお宮参りというのが有名で、あいにく縁がない人生を送ってきた。

ここが参道の始まりなのか。別の方向から撮影された景色は見たことがあったが、こんな感じだったろうか。

調べてみたら、2016年に現在の社殿になったのだそうだ。それは新しいわけだ。
“水天宮”というのが、久留米藩(福岡県)から始まったというのも初めて知った。

狛犬も大きくて何だか強そう。母も子も守ってくれそうだな。

絶えず参拝の人がいるし、何よりお宮参りや安産祈願と思しき祈祷も行われている。

私も人のことは言えないが、観光客という印象の人も多々見受けられる。

寳生辨財天(ほうしょうべんざいてん)は、日本橋七福神にもなっている。

何やら可愛らしい像があるなと近付いてみたら河童だった。

安産子育河童

立派な授与所で御朱印を戴いたのだが、安産を祈念するお守りや腹帯などを拝受する方を何人か見掛けた。

ただ、同じタイミングで授与所にいたというだけだけれど、皆さんの安産と母子の健康をお祈りします。

福犬の根付けもセットだったので、みくじを引いた。
これは可愛い。

水天宮を出て、人形町駅へ戻って日本橋駅へ行こうと歩きだす。ずっと曇り空なのだが歩くとかなり汗ばむ気候で大分疲れを感じていた。

歩道の紫陽花が色付いてきていて、そういうのを眺めると少し気持ちが和む。

あそこの大きな交差点が人形町のところだななどと眺めていると、道路の向こう側に鮮やかなのぼりが立っているのが視界に入り、人形町の交差点を渡ってから通りを戻る。

聖観音宗 大観音寺(おおかんのんじ)

浅草にある浅草寺を総本山とする宗派とのことだ。

鎌倉時代に造られた鉄製の観音菩薩像の頭だけが後の世に発掘されて、それが御本尊となっている。 

東日本大震災の折に、他の仏像や仏具は特に引っくり返ったりしていないのに、とても人の手では動かせない重さの鉄製の菩薩頭(本尊)だけが真東の方向に向きを変えた(約25度)。

それから“平成の不思議顕現”と呼ばれるようになったとのこと。

また、人形供養も有名(?)らしい。

韋駄天尊が祀られていて、ランナーの聖地でもある。

これが、とても綺麗だなあと、しみじみ眺めてしまった。

ここ数年は寺社へお参りしても御朱印は書き置きに日付だけ入れて戴くケースが多く、また人形町辺りにお寺はないのではないかと思い込んでいたので、朱印帳を持たずに出てきてしまったのをとても後悔。

御朱印を戴こうと寺務所を伺ったら直書きしていただける様子で、もちろん書き置きを戴けたのだけれど、失礼な事をしたなあと反省した。

お寺で戴く御朱印(納経印)は、やはり好きだ(好きとかそういう話ではないか)。


それから日本橋駅へ移動。またもや道に迷って遠回りして東京駅に近いビルの4階に入っている“東京長浜観音堂”へ。

琵琶湖に接する滋賀県湖北地方の長浜市は平安時代から仏教文化が栄え、数々の戦乱の時代を超えた今も多くの観音像が住民の手によって大切に保存されている。

その観音文化を保存伝承する為に、東京にある長浜の観音堂として、また支援者を得るために開設された施設で、定期的に長浜から観音様にお出ましいただいているということだ。

2016年に上野の東京芸術大学の美術館で開催された長浜の観音像の展覧会で初めて出会い、その後上野に出来た“びわ湖長浜KANNON HOUSE”へも伺ったことがある。

今回は、浄光寺 十一面観音立像と薬師如来立像・阿弥陀如来立像に御対面した。

穏やかなお顔をしているのだけれど唇をキュッと左右に引いている感じで、頭上の十一面が結構重そうなので耐えているのかもしれない。

トレーディングカードのような情報カードと御朱印を戴いた。

東京長浜観音堂は今年度で閉館するそうなので、あと2回の会期に伺えるといいなと思う。

 

東京駅の地下にある“あんみつ みはし”で、白玉クリームあんみつを食べて疲労を癒してから帰路に就いた。